先生は四十代半ばのベテランらしき女性。堂に入った様子で授業をすすめていく。そのほかに補助の先生が四人ついて、子どもの答えがあっているかをたしかめたり、わからない子どもの面倒を見たりとキメこまかい。また先生は子どもに話しかけているようでいて、しっかり親に向けてのメッセージを出していることにIさんは気づいた。「数を数えさせる問題が出ました。囲みの中に描かれているカエルの数と同じ数の○を空欄の中に書きましょう、という問題なのですが、どうも先生の期待どおりにはいかないらしく、時間がかかってしまう。そしたら先生が『ゆっくり数える人がいるけれど、もう年中さんの六月なんだから、もっと早く数えられないとね』とおっしゃるんです。年中の六月とか言われても、子どもはなんのことやらわからないですよね。ああ、これは親に向けてプレッシャーをかけているのだとピンと来ました。それから『数えたものは線を引いて消していったほうがいいよ。見直しも必ずしてね。そのときは最初に引いたななめの線と×になるように線を引くと、同じものを二度数えなくてすむからね』というアドバイスもありました。
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