流通業界に視点を置いてみれば、マスコミを活用した一大キャンペーンは広告需要の創造と、衣類・ファッション製品など経済の波及効果を創出し、日本の高度成長をリードしてきたと言えよう。これらの意味からマックスファクターは日本の化粧品業界のみならず、広く消費財産業界でのキャンペーンの歴史において、先駆けを果たし、大きな足跡を残したのである。この頃化粧品業界の発展に大きく寄与する二つの団体が発足する。昭和三四年にはそれまでの東西の化粧品工業会が一本化され、日本化粧品工業会連合会が結成される。さらに、昭和三五年四月には、全国化粧品卸商団体連合会が発足、とくに再販制度の制定後、キャンペーンブームと乱売問題で次第に一般品流通のメーカーが苦境に立だされてくるなかで、一般品メーカーの結束をバックアップする。流行色となる資生堂の「シャーベットトーン」マックスファクターのキャンペーンに刺激を受けて国内化粧品メーカーがその後に続くこととなる。三六年には、資生堂が初めてのキャンペーン「キャンディートーン」を展開、翌三七年の東洋レーヨンとのビッグプロジェクトとしてのコンビナートーキャンペーン「シャーベットトーン」を大成功に導く足掛かりとなる。シャーベットトーンを資生堂と東レが組んだ契機は、当時の資生堂社長伊藤隆男と東レ社長の森広三郎が神戸大学時代の同窓生であったことから、トップ同士の縁で結ばれたものとも言われている。シャーベットトーンは、日本流行色協会(JAFCAでジャフカ)が発表したテーマカラーの名称で、三四年のトニー・ザイラーの黒をテーマにしたザイラーブラックのヒットにつづくカラーキャンペーンである。
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