襖や障子

2011.04.18

「襖」は、平安時代の寝所(寝室)を意味する「衾所」が語源といわれ、畳で一段高くなった寝所の周囲にめぐらせた帷(垂れ布)が変化したのが襖とされています。もとは襖障子と呼び、『源氏物語』にもたびたび出てきます。襖や障子というのは、板と紙でできた鍵もない一枚戸で内と外を隔てるわけですから、考えてみれば物騒な、いいかえれば信頼関係がなければ成立しない建具でもあるわけです。もっとも昔の殿様たちは、公務の座敷にいるときも、寝所にいるときも、襖一枚隔てた次の間(隣室)に必ず警護の者が控えていたそうです。襖のある日本家屋で育った人は、子どものころ、親から「襖を音を立てて閉めるな」とうるさくしつけられた人も多いかもしれません。音を立てずに閉める作法として、閉め切る数センチ手前まで両手で引き手を持ち、最後に自分の指を軽くはさんで襖の動きを止め、指を抜いて静かに閉める、という方法もあります。
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